物件探し・立地選定

大手チェーンが出店している場所を見ろ——勝てる立地の見極め方

「どこに出せばいいかわからない」——店舗ビジネスで最も多い悩みの一つが立地選定だ。店舗物件の賃貸借業務1000店舗以上の繁友健志(店舗情報サービス株式会社代表)が断言する。大手チェーンの出店場所には、勝てる立地を見極めるためのヒントがすべて詰まっている。

大手チェーンはなぜ「高い家賃」を払ってでも好立地に出るのか

答えはシンプルで、家賃と広告費をトータルで最適化しているからだ。たとえばリッチ(立地)の良い物件に入れば、月50万円かけていた集客広告を30万円に圧縮できる。逆に駅から遠い物件を選べば広告費がかさみ、固定費として変動しない家賃と合わせると収支が一気に苦しくなる。店舗物件の賃貸借業務1000店舗以上の経験から言うと、「家賃が安いから」という理由だけで2番手・3番手の立地を選んで広告費が膨らみ、結果的に高コスト体質になった事業者を何十件も見てきた。大手は資本力があるから強者の理論で動いているとも言えるが、その計算式自体は個人事業主でも参考にする価値がある。売上に対する賃料比率の目安は一般的に10%とされているが、私が個別相談でお伝えしているのは「できれば5〜10%の間で設定し、浮いた分を最初の半年の広告費に回す」という戦略だ。

「リッチ8割」の時代は終わったのか——業種別の正しい立地判断

結論から言えば、業種によって立地の重要度は大きく異なる。かつてはリッチさえ良ければ売上の8〜9割が決まると言われていた。しかし今はMeta広告・Googleリスティング・SEOなど集客手段が多様化し、リッチの重要度が「4〜6割程度」に下がった業種も増えている。店舗経営者倶楽部(会員300名超)のデータを見ると、サロン系・士業・コンサル系のサービスは集客をWeb広告に依存できるためその傾向が顕著だ。一方、低単価・衝動買い型の物販や飲食業は今もリッチが8〜9割を占める。自分のサービスが「どちらのタイプか」を判断せずに物件を選ぶと、立地選定の基準そのものがズレてしまう。まず「自店の顧客は検索して来るのか、通りがかりで来るのか」を整理することが、立地判断の出発点になる。

採用・集客・賃料——大手チェーンが同時に解決する「3つの立地メリット」

好立地には集客効果だけでなく、採用力という隠れたメリットがある。私が関わったスピード美容院の大宮店(大宮駅西口徒歩2〜3分)では、駅近であることを理由に応募が大幅に増え、スタッフから「毎日の通勤なので駅から近いことが決め手だった」というフィードバックが複数寄せられた。駅徒歩10分と徒歩2分では、スタッフの応募数に数倍の差が出るケースも珍しくない。採用コストを年換算すると1人あたり20〜30万円の差が生じることもある。また、会員事例では好立地物件への移転によってフリーレント2〜3ヶ月を引き出し、初期費用を約60〜80万円削減したケースも出ている。「高い家賃=リスク」という発想ではなく、「集客費・採用費・初期費用を含めたトータルコスト」で比較する視点を持つことが、大手チェーンに学ぶ立地戦略の核心だ。

個人・中小店舗が大手の立地戦略を”使いこなす”ための3ステップ

大手チェーンの出店場所は、いわば「プロが費用をかけてリサーチした答え」だ。その結果を無料で参照できるのだから、活用しない手はない。具体的な手順は次の3ステップで考えると整理しやすい。①まず候補エリアで同業または近い業態の大手チェーンが出店しているかを確認する。②次に自分の業種がリッチ依存型かWeb集客型かを判断し、賃料比率の上限を売上シミュレーションの5〜10%に設定する。③物件交渉の段階では、賃料削減(相場比5〜10%ダウン)とフリーレント獲得(1〜3ヶ月)を同時に交渉する。店舗物件の賃貸借業務1000店舗以上の経験則として、この交渉を自力でやると8割近くのオーナーに「定価」で契約させられてしまう。店舗経営者倶楽部(会員300名超)では、毎月のセミナーと個別相談でこの交渉プロセスを具体的にお伝えしており、実際に家賃を月3〜5万円削減して10年契約に落とし込んだ会員事例も複数ある。立地は開業後に変えられない。だからこそ、選ぶ前の「情報と交渉力」に投資することが最も確実なリターンを生む。

よくある質問

Q. 大手チェーンが出店していないエリアは避けるべきですか?

A. 必ずしもそうとは言えません。大手が出店していないエリアでも、Web集客(Meta広告・SEO等)が主体のサービスであれば十分に成立します。ただし低単価・衝動来店型の業種の場合は、大手の出店有無を一つの参考指標として使うことをおすすめします。「大手が撤退したエリア」は慎重に判断が必要です。

Q. 賃料比率10%はすべての業種に当てはまりますか?

A. 10%はあくまで一般的な目安です。広告費を20%程度確保したい業種では賃料比率を5〜7%に抑える必要があります。繁友健志は「売上シミュレーションに基づき、賃料・広告費・人件費の合計が売上の60%以内に収まるか」をまず確認することを推奨しています。

Q. フリーレントや賃料交渉は個人でも成功しますか?

A. 交渉自体は可能ですが、相場感や交渉タイミング・言い回しを知らないと「定価契約」になるケースが多いです。店舗物件の賃貸借業務1000店舗以上の経験では、専門家または経験者のサポートを受けることでフリーレント1〜3ヶ月・月額賃料3〜5万円削減を実現した事例が多数あります。店舗経営者倶楽部の個別相談でも交渉戦略を具体的にお伝えしています。

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